タイミング法において、まず行うのは基礎体温の計測による「排卵日」の予測
不妊治療において、一般的に最初に行うのが「タイミング法」です。基礎体温のサイクルから妊娠しやすい日を割り出し、その日に性交渉をもつことで、妊娠の成功を目指します。
個人差はありますが、月経周期は25~30日が平均です。ポイントとなる基礎体温は、月経の開始から排卵まで低め(低温期)で、一時的に顕著に下がったのち、急激に上昇します。この基礎体温が急上昇を見せるときに、排卵が起こっています。なお、以下の図は妊娠していない場合の基礎体温の推移であり、妊娠に成功すれば、基礎体温はまま維持されます。
一般に、2週間以上高温期が続く場合には、妊娠している可能性を考えます。(図1)
図1 女性の基礎体温
性交渉のベストタイミングは排卵日の前々日
排卵日と「妊娠しやすい日」はイコールではありません。
もっとも妊娠しやすい日は、「排卵日の前々日」だとされています。その次が「排卵日の前日」、その次が「排卵日の3日前」です。
排卵日を含めそれ以降の性交渉は、実は妊娠の成功率が高くありません。
産婦人科では排卵日をより正確に予測することができます
タイミング法で必要となる排卵日の予測は、基礎体温をしっかり測ればご自宅でも取り組んでいただけます。ただし、より正確に排卵日を予測するためには、産婦人科の受診をおすすめします。
※基礎体温表をつけている場合には、ご持参ください。
当院で指導するタイミング法について
検査
超音波検査にて卵胞の発育状況を把握します。卵胞が18~22ミリまで大きくなれば、排卵のタイミングです。また、排卵時に大量に分泌黄体される形成ホルモンの分泌量を調べるため、尿検査を行うこともあります。
タイミング法の開始
上記の検査の上で、タイミング法を開始します。 開始後1~2周期は、排卵後に卵胞の状態を確認したり、フーナーテスト(精子の動きを調べる検査)を行ったりして、異常がないかどうかを確認します。
排卵誘発剤を使用することも
ホルモンバランスが乱れていたり、月経の周期が不規則である場合には、排卵誘発剤を使用しながらタイミング法を行うことがあります。
タイミング法で知っておくべきこと
タイミング法による妊娠率は、1.3~4.1%(1周期あたり)となります。回数を重ねていくと妊娠率は上昇しますが、それでも4~6カ月ほどで頭打ちとなります。
一般に、6カ月~1年ほど継続して妊娠に至らない場合には他の方法を検討します。また、年齢によっては2~3カ月ほどで次のステップへと進むこともあります。